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iKitbotが世界へ:深センから日本とヨーロッパ、そしてもっと先へ

編集: 何得如  |  出典: EyeShenzhen  |  更新: 2025-07-23

    

撮影&写真:王皓嵐

    ショッピングモールの賑やかな通路や、スーパーマーケットの混雑した一角、さらにはエレベーターの狭い空間でも、かなり大きくて洗練された清掃ロボットに出会うかもしれません。サービスロボットが活発な音声交互でお客様を引く一方、これらの清掃ロボットは「沈黙の作業員」としてほめたたえられません。単なる機械以上の存在として、人間の清掃員を単調な作業から解放し、正確かつ信頼性を持って雑用を処理する生産的な相棒でもあります。これこそが、2021年に王雪松によって設立された「深センiKitbot株式会社」の未来像でした。

    

深センiKitbot株式会社に展示されたiKitbot One清掃ロボット。

    4年後、同社は世界市場で大きな進展を遂げています。知恵型のiKitbot One商業用清掃ロボットは「超静音」、「頑固な汚れ除去」「水跡なし」、「操作簡単」という優れた性能で日本とヨーロッパの顧客の肯定を獲得しています。

市場の可能性を発見

    自社を設立する前、2014年に王氏はサービスロボット業界に参入していました。彼は世界をリードするAIサービスロボット・ソリューションのプロバイダーである「オリオンスター」と、著名なサービスロボットサプライヤーである「カンデラテクノロジー」で働いていました。両社とも深センに本拠を置いています。長年の経験により、彼は広範な製品エンジニアリングの専門知識と鋭い先見性を身につけました。伝統的な清掃業界における人手不足とコスト上昇が、企業に代替ソリューションを求める動きを加速させているため、彼は商業用清掃ロボット業界に大きな機会を見出しました。

深センiKitbot株式会社の創業者である王雪松氏は、同社のiKitbot One清掃ロボットと一緒に写真を撮っている。 

    中国には現在約10万社の清掃会社があり、約1400万人の清掃員を雇用しています。これらの労働者のうち、約30%が特に床清掃に専念しています。清掃員1人あたりの平均年間人件費が約6万元(約8350米ドル)であることから、床清掃だけの市場規模は数百億元規模と推定されています。

    2022年第三四半期に人力资源・社会保障部が発表した「最も需要が高い」職業トップ100において清掃員が5位にランクインしたことからも、清掃サービスの需要は依然として高いことが明らかにします。しかし、非常に反復性の高い清掃作業は、労働者にとって魅力が薄れつつあります。その結果、企業は特に高頻度の日常清掃作業において、清掃ロボットの導入を増やしています。

    大きな可能性にもかかわらず、商業用清掃ロボットの市場浸透率は1%未満です。

    商業用清掃ロボットというニッチ市場のビジネスチャンスを鋭く感じ取り、王氏は2021年に起業の旅を始め、iKitbot社を設立しました。

    「iKitbotという名前は、AI、kit、robotの3つの言葉を組み合わせたものです」と彼は説明しました。「これは我々の未来へのビジョンを凝縮したものです。AIで清掃業界を強化し、最も賢いロボットを開発して世界中の労働者を解放し、最終的にすべての人の生活をより良くすることです」

作業中のiKitbot One清掃ロボット。

    王氏の会社は、オフィスビル、ホテル、病院、空港、交通ハブ、工場向けの商業用ロボットソリューションの提供に専念しています。旗艦製品として、4000平方メートルまでカバーできるiKitbot Oneロボットは、お客様が異なる床タイプや環境に基づいて清掃をカスタマイズできます。噪音制御と廃水回収性能に優れており、他社よりもはるかに低い噪音レベルで動作し、高い廃水回収率を誇ります。さらに、水跡を除去しながら床を乾燥させます。

海外市場を目指す

    最初から、日本をグローバル展開の最初の目的地として、王氏と彼のチームは海外市場を目指しています。 

    「日本は世界で最も深刻な高齢化社会であり、労働力が極めて不足しています」と王氏は指摘しました。「さらに、伝統的なロボット強国として、日本ではロボット製品に対する一般の受け入れ度が高いです。」

iKitbot One清掃ロボットの日本語版パンフレット。

    王氏は、日本の清掃会社が高齢化のため有能な清掃員を採用するのに苦労しており、現在の清掃員のほとんどがパートタイムの高齢者であると指摘しました。さらに、清掃員の月給が15000元に迫り、人件費を押し上げています。「その結果、日本市場は清掃ロボットを緊急に必要としています」と王氏は付け加えました。

    日本市場は、海外展開を目指す国内の商業用清掃ロボット企業にとって重要な戦場となっています。高仙ロボットやKeenon、深センに本拠を置く普渡などの企業が、この市場に参入するための戦略的な動きを積極的に進めています。

    「日本における商業用清掃ロボットの普及まだ十分していないので、市場の可能性は巨大です」と王氏は語たりました。「しかし、誰もが簡単にそこで成功できるというわけではありません。」

    王氏によると、日本は製品やビジネスルールの理解において中国とはかなり異なります。「日本では、ビジネスパートナーは意思決定においてより慎重で思慮深いアプローチを好みます。ほとんどのケースで、発注前に彼らは製品が複数のテストを受け、機能的な信頼性を実証することを要求します」と彼は付け加えました。

    昨年6月、iKitbot清掃ロボットは日本市場に登場し、今のところまでに数百台が販売されました。この成功に励まされ、同社は昨年末からドイツや西ヨーロッパのいくつかの国を進発し、ヨーロッパ市場の開拓を開始しました。「今年はヨーロッパで約1000台の販売を見込んでいます」と王氏は述べました。

    彼は、日本のより伝統的なコミュニケーション方法と比較して、ソーシャルプラットフォームがヨーロッパのビジネス交渉においてより重要な役割を果たしていると指摘しました。「来年までヨーロッパも我々の主要な目的地ではなかったが、多くのヨーロッパのお客様がソーシャルプラットフォームで積極的に連絡を取ってきました。これが、我々の拡張計画を加速させるきっかけとなりました」と彼は付け加えました。

より明るい未来のための準備

    王氏は、商業用清掃ロボットの世界市場には大きな成長の可能性があると強調し、他社製品と比較してコスト効率が高く、高性能であることで、中国製ロボット製品が競争力に対して非常に自信を持っていると信じています。

iKitbot One清掃ロボットがiFデザイン賞を受賞した。 

    QYResearchの最新レポートによると、2031年まで、世界の商業用清掃ロボットの市場規模は17.1億米ドルに達すると予測されています。

    王氏の会社はモジュール式ロボットの開発に取り組んでおり、これはモジュール式再構成可能ロボットとも呼ばれています。これらのロボットは複数の交換可能な部品で構成され、自動的に接続・切断して異なる形状を形成し、さまざまなタスクを実行できます。

    「現在、ほとんどのサービスロボットは機能が限られています」と王氏は述べました。「掃除ロボットは掃除、配達ロボットは運搬に対応するが、どちらもマルチタスクはできません。」

    彼は、ロボットの移動ベースと操作コンポーネントを自動的に分離・再結合できれば、同じ環境内でタスクを切り替えられると説明しました。例えば、仕事の前後に清掃ロボットは床を掃除し、その間に在庫管理を行い、スタッフが忙しい場合は顧客への挨拶もできます。この柔軟性により、人件費を削減し、職場の効率を向上させることができます。

    「我々は、清掃ロボットをよりスマートにし、さまざまなシナリオに適応させることを目指しており、この目標を今後2年以内に達成する予定です」と彼は語りました。


ショッピングモールの賑やかな通路や、スーパーマーケットの混雑した一角、さらにはエレベーターの狭い空間でも、かなり大きくて洗練された清掃ロボットに出会うかもしれません。
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